五月丸:

JPX日経中小型株指数の算出が2017年3月より始まりました。
JPX日経中小型株指数に連動するETFも2本上場しています。
銘柄選定はマーケットへの影響を少なくする工夫がされています。

JPX日経中小型株指数とは

JPX日経中小型株指数とは、JPX日経400のROEや営業利益を重視する考え方を、中小型株にも適用し投資魅力の高い200銘柄を算出する指数です。
上場企業の大半を占める中小型株取引の活性化を目標としています。

2017年3月13日より算出が開始されました。

JPX日経中小型株指数の算定方法

対象となる銘柄は東証一部、二部、マザーズまたはJASDAQに上場する銘柄です。
その全銘柄から上場後3年未満、債務超過や3年連続の営業赤字・最終赤字の会社を除外します。

さらに、基準日(6月最終営業日)の時価総額上位20%以内の大型銘柄を除外します。
また、年間売買代金(基準日から起算した直近1年)が150億円以下、時価総額100億円以下の低流動銘柄と小型銘柄を除外します。

残った銘柄に対し、ROEと営業利益でスコアを付けます。比率は以下の通りです。
・3年平均ROE:70%
・3年累積営業利益:30%
ここに、独立社外取締役の選任といった要素を加点し、上位200銘柄を選定します。
この200銘柄がJPX日経中小型株指数の構成銘柄となります。

この200銘柄に対し、浮動株調整時価総額加重で比率を決めていきます。なお、各銘柄の比率の上限は1.5%です。

銘柄入れ替えは年に1度、8月最終営業日となります。
過度の入れ替えを避けるために、既存の構成銘柄はスコアが250以内であれば残留します。

     

JPX日経中小型株指数の銘柄入替

JPX日経中小型株指数の銘柄入替は年に一度です。
毎年8月第5営業日に入替銘柄を公表し、8月最終営業日に銘柄入替を実施します。

入替銘柄数は2017年51、2018年54と平均26%程度が入れ替え対象となっています。
銘柄入替が比較的多い指数と言えるでしょう。

 
     

JPX日経中小型株指数の採用銘柄の特徴

当初採用銘柄の状況を見てみましょう。JPXが公表している選定基準日の2016年6月時点のデータとなります。

採用銘柄の大部分は東証一部から選ばれています。JASDAQの銘柄が比較的多い点に特徴があります。

一部 二部 マザーズ JASDAQ
178 3 3 16

採用銘柄の3年平均ROEは18.2%と高水準です。JPX日経400の平均ROEが12.5%、東証一部の平均が8.2%であり、これらを大きく上回っています。

平均時価総額は496億円であり、JPX日経400の8,890億円と比べると中小型銘柄が選定されています。

業種別の銘柄数は以下の通りです。
JPX日経中小型は東証全体の上場銘柄と比べると、建設・資材、電機・精密、不動産の比率が高く、商社・卸売、素材・化学、食品の比率が低めです。

銘柄一覧

現時点(2019年2月28日)の構成銘柄(200銘柄)は以下の通りです。

JPX日経中小型株指数の推移

算出開始来のチャートは以下のとおりです。


期間:2016/8/31~2019/3/5、信頼できると判断したデータを基に当社が作成

JPX日経中小型株指数が市場に与えるインパクトは

指数がリリースされただけでは、それに伴う実需の売買があるわけではないので、株価への直接的な影響はありません。

この指数に連動する運用をする投資信託やETFができて、100億を超えるような残高になって初めて、多少は影響が出てくる可能性があるかと思います。

JPX日経中小型株指数は流動性が低い銘柄が除外され、200銘柄に分散、1銘柄1.5%までの上限、浮動株調整もあるため、投資資金が数百億円規模で入ってこない限りは、株価への影響はあまりないのではと思います。

JPX日経中小型株指数に連動するETFは上場するのか?

ETFは投資家の需給で運用資産が大きく変動するため、ETFの中身の構成銘柄に流動性がないと、運用が難しくなります。
この点は、売買代金の下限を定める基準もあり、構成比率も最大1.5%とキャップがあり、不可能ではないと思います。しかし、ETFは急に運用資産が大きくなってしまうこともあるので、いくらまでの資産なら運用できるのかを詳細に検討する必要があります。

また、指定参加者やマーケットメイカーがETFのポジションを抱えてマーケットメイクしますが、彼らがどの程度ヘッジをし易いかという点も課題となります。
貸株料が高い銘柄が多いと、マーケットメイクにコストがかかり、難しくなります。

2019年3月5日現在、2本のJPX日経中小型指数に連動するETFが東証に上場しています。2本合計で100億円強の残高があります。
JPX日経400ほどではありませんが、それなりの投資規模となっています。似たようなロジックで算出されるJPX日経400についてはこちらをご参照ください。

関連する当社が運用するETF

当社はJPX日経中小型株指数に連動するETFを運用しておりません。
JPX日経400のレバレッジ・インバース(ブル・ベア)型のETFを運用しております。

銘柄一覧
1467 JPX日経400ブル2倍ETF(レバレッジ)
1468 JPX日経400ベアETF(インバース)
1469 JPX日経400ベア2倍ETF(ダブルインバース)
また、中小型株のETFとしては、以下の3銘柄を運用しております。
1563 マザーズ・コアETF
1551 JASDAQ-TOP20 ETF
2516 東証マザーズETF

レバレッジ・インバース(ブル・ベア)型ETFの特徴についてはコラム、株が上がると思ったら、ブル(レバレッジ)型ETF株が下がると思ったら、ベア(インバース)型ETFをご参照ください。