NT倍率とは

NT倍率とは日経平均株価をTOPIXで割った数値です。両指数の相対的な強さを表す数値です。
NT倍率は値嵩株や外需株が強いと上昇する傾向にあります。
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◆NT倍率
NT倍率とは日経平均株価(以下、日経平均)をTOPIXで割った数値です。
2020/11/30時点で日経平均株価は26433.62、TOPIXは1754.92であり、NT倍率は15.06です。
日経平均はTOPIXより常に大きい数字であり、2000年以降では最小で9.37、最大で15.06と2倍になるような極端な変動はありません。
NT倍率が高くなれば日経平均がTOPIXと比べて強く、低くなればTOPIXが日経平均と比べて強い状態です。
一般に、値嵩株(株価の高い株)や輸出関連株などの外需株が強いと日経平均が相対的に上がり、NT倍率も上昇します。
◆NT倍率の推移
2000年以降のNT倍率の推移です。
2009年以降は右肩上がりですが、2018年にさらに上昇し2020年11月末時点も歴史的な高水準で推移しています。TOPIXと比べて日経平均が強い状態が続いているということです。

◆日経平均とTOPIXの特徴
日経平均は、東証一部の上場銘柄から、日本経済新聞社が市場流動性やセクター間のバランスを考慮して225銘柄を選定して算出されます。算出方法はダウ式と呼ばれ、一般に株価が高い銘柄ほど構成比が高くなる傾向があります。 TOPIXは、東証一部の全ての国内株で構成され、浮動株調整後の時価総額加重で算出される株価指数です。約2100銘柄強で構成されます。
重要なのは、構成比率がかなり異なる点です。この表は日経平均とTOPIXの構成比率上位5銘柄の構成比(%)です。
|
日経平均 | TOPIX | ||
1 | ファーストリテイリング | 11.48 | トヨタ自動車 | 3.21 |
2 | ソフトバンクグループ | 5.98 | ソニー | 2.47 |
3 | 東京エレクトロン | 4.82 | ソフトバンクグループ | 2.32 |
4 | KDDIファナック | 3.51 | キーエンス | 1.98 |
5 | ダイキン工業 | 3.23 | 任天堂 | 1.46 |
時点:2020/11/30、出所:東証、日経新聞社
TOPIXは最大でトヨタ自動車の3.21%と集中度は低いですが、日経平均はファーストリテイリングが11.48%、5位のダイキン工業も3%を超えています。
指数の算出は日本経新聞社が行っています。
◆日銀のETF買い入れの影響
日銀は日経平均とTOPIXのETFの買い入れを継続して行っています。
年間買い入れ額は6兆円、うち2.7兆円はTOPIX、3兆円はTOPIX、日経平均、JPX日経400、0.3兆円で設備人材ETFの購入に充てられます。
詳細はコラム「日銀のETF買い入れの基本」をご参照ください
2016年10月より前述の割当となり、TOPIXに割当額が増えました。日経平均は構成銘柄に偏りがあるためにTOPIXを増やしたものと考えられます。
日経新聞は2018/7/26の朝刊で、日銀がTOPIX型ETFの買い入れ比率を増やし、日経平均型ETFの比率を下げる議論を行うという記事を出しました。
◆関連するETF
NT倍率に1本で投資ができるETFはありませんが、日経平均とTOPIXのレバレッジ・インバース(ブル・ベア)型のETFを当社は揃えています。
NT倍率が下がる(相対的にTOPIX上昇、日経平均下落)と予想すれば、TOPIXブル2倍と日経平均ベア2倍を組み合わせるといった投資も可能です。
また、NT倍率が上がる(相対的に日経平均上昇、TOPIX下落)と予想すれば、日経平均ブル2倍とTOPIXベア2倍を組み合わせるといった投資も可能です。
証券コード | 商品名 | 内容 |
1568 | TOPIXブル2倍 | TOPIXの日々の変動率の“2倍”の値動きを目指します |
1569 | TOPIXベア | TOPIXの日々の変動率の“逆”の値動きを目指します |
1356 | TOPIXベア2倍 | TOPIXの日々の変動率の“逆方向に2倍”(すなわちTOPIXの-2倍)の 値動きを目指します |
1579 | 日経平均ブル2倍 | 日経平均の日々の変動率の“2倍”の値動きを目指します |
1580 | 日経平均ベア | 日経平均の日々の変動率の“逆”の値動きを目指します |
1360 | 日経平均ベア2倍 | 日経平均の日々の変動率の“逆方向に2倍”(すなわち日経平均の-2倍)の 値動きを目指します |
 
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