日経レバとは

日経レバとは、日経平均レバレッジ・インデックス及び関連ETFの一般的な呼称です。
日経平均レバレッジ・インデックスは日経平均株価の2倍の値動きをする指数です。この指数に連動するETFは非常に活発に売買されています。
日経平均レバレッジ・インデックス
日経平均レバレッジ・インデックス(以下、日経レバ)は、日経平均株価の変動率の2倍の値動きをする指数です。
日経平均株価が1%上昇すれば、日経レバは2%上昇します。日経平均株価が1%下落すれば、日経レバは2%下落する仕組です。


日経レバの計算式は以下の通りであり、日経平均の前日からの変動率に対して2倍の変動率があります。

留意点は、あくまで1日の変動率の2倍の値動きということです。
指数の算出は日本経新聞社が行っています。

日経レバは日経平均の1日の変動率の2倍の変動率で動く指数です。
日経レバの推移
日経レバは2011/6/6に算出が開始されました。
以下のチャートは、算出開始以来の日経平均と日経レバの推移です。

期間:2011/6/6~2022/03/15 出所:日経新聞社(以下、全て同様)、比較のため2011/6/6を100としています 。
2022年3月15日現在までの約11年で、日経平均は+170%、日経レバは+363%でした。
日経レバの算出開始は2011年6月と震災後の株価低迷期で、その後にアベノミクス相場が始まったため、日経平均は大きく上昇しました。
計算開始から2022年3月15日までの期間で見ると、日経レバが日経平均の2倍を大きく超えて上昇している場面があります。これはレバレッジ指数の特徴によるものです。
但し、この期間はレバレッジ指数の特徴の利点が現れる相場であった結果によるものであり、日経レバは必ずしも日経平均の2倍を越えて上昇するわけではなく、2倍を下回ることもあります。後ほど詳細を説明します。

アベノミクス相場では日経レバは効果的でした。
日経レバの年度別推移
前述の算出開始以来のパフォーマンスを比べると、日経レバは日経平均の2倍を超える値上がりでした。
ここで、年度別の推移を見てみましょう。
|
日経平均 | 日経レバ |
2011* | -17% | -35% |
2012 | 23% | 47% |
2013 | 57% | 128% |
2014 | 7% | 10% |
2015 | 9% | 14% |
2016 | 0% | -6% |
2017 | 19% | 40% |
2018 | -12% | -26% |
2019 | 18% | 37% |
2020 | 16% | 26% |
2021 | 5% | 6% |
2022* | -12% | -23% |
*2022年は3月15日まで
年によって、日経レバが日経平均の概ね2倍の年もあれば、2013年のように2倍を大きく上回る年、2014年・2015年・2018年・2020年・2021年は2倍を数%下回ります。また2016年は、日経平均は概ね横ばいでありながら、日経レバは6%下がっています。
日経レバの中長期値動きの特徴
1)連続上昇
2016年11月9日~同12月30日
米国大統領選挙でトランプ氏が勝利し、政策期待から上昇したトランプラリーによる上昇相場です。

この間の値動きは以下の通りで、日経レバは日経平均の2倍を超える値動きとなっています。
日経平均 + 17.6%
日経レバ + 37.6%
日経平均が連続して上昇した場合は、日経レバは日経平均の2倍を超える値動きとなります。
2)連続下落
2018年1月23日~同2月14日
米国の長期金利上昇、米国株式市場急落、円高傾向により下落が続いた相場です。

この間の値動きは以下の通りで、日経レバは日経平均の下落の2倍ほどは下がっていません。
日経平均 - 12.3%
日経レバ - 23.5%
日経平均が連続して下落した場合は、日経レバは日経平均の2倍ほどは下がらない値動きとなります。
3)上げ下げを繰り返す相場
2016年7月21日~同10月5日
この2ヵ月半の相場は膠着状態で、上昇と下落を繰り返し、日経平均は概ね元の水準に戻りました。

この間の値動きは以下の通りで、日経平均は概ね横ばいでしたが、日経レバは0.46%下落しております。
日経平均 + 0.05%
日経レバ – 0.46%
日経レバ特性の理由
このような結果になるのは、レバレッジ指数の特性によるものです。
日経レバを含むレバレッジ指数は、上昇日に元本が増え、下落日に元本を減らす設計となっています。すなわち、相場が上がったら買い増し、下がったら一部売却するのと同じ結果となります。
上昇が続く局面では、買い増しを続け元本を増やすため、2日以上の値動きは、増えた状態の元本に対する2倍となるため、元の指数の2倍以上となります。
下落が続く局面では、一部売却をするのと同じで元本が減るため、2日以上の値動きは、減った状態の元本に対する2倍となるため、元の指数の2倍ほどは下落しません。
上昇と下落を繰り返す局面では、上昇すると買い増して元本を増やし、その後に下がると増えた状態の元本に対して2倍減ることになるため、元の指数の2倍よりも大きく下落することになります。仮に、上昇と下落により元の指数は元の水準に戻っても、レバレッジ指数は元の水準に戻らない可能性があります。
文章ではわかりにくいですが、こちらのコラムで図解しております。是非、ご一読ください。
ブル型ETF ~レバレッジ型商品の説明~
ベア型ETF ~インバース型商品の説明~
株式市場は、長期で見ると上昇と下落を繰り返す相場になる可能性が高いため、日経平均の2倍を想定して投資を行うと、日経レバは必ずしも2倍にならない可能性があります。
日経レバはハイリスク・ハイリターン型の投資を志向する投資家向けの指数です。
(注)各図の日経レバ(指数化)は、日経平均と始点を同一とし、以後は日経レバの変動率を乗じて比較し易くしています。

日経レバは、複数日で上げ下げを繰り返す相場では、日経平均の2倍ほどは上昇しないことがあります。日経平均が一旦下落し元の水準に戻っても、日経レバは元の水準まで戻らないこともあります。ご留意ください。
日経平均レバレッジ・インデックスに関連するETF
当社では日経平均レバレッジ・インデックスを対象指標とする、日経平均ブル2倍ETFを2013年5月より運用しております。上昇相場を予想するときに活用できるETFです。
1579 | 日経平均ブル2倍ETF |
ブル・ベアETFの運用や仕組みについてはこちらをご覧ください。
レバレッジ・インバース型ETFの運用方法
レバレッジ・インバース型ETFの先物取引の仕組み
レバレッジETFと日経平均の関係について別の視点から解説したコラムもございます。
日経平均とETFの関係

日経平均ブル2倍ETFは、活発に売買されているETFです。
 
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