日銀のETF買い入れの詳細はベールに包まれています。そこで、プロの金融業界で一般に言われている内容についてまとめました。
ここでは、“金融業界で一般に言われている内容”、“推測による内容”が多分に含まれており、実態とは異なる可能性もありますが、その点に予めご了解お願いします。

買い入れ対象のETFは?

買い入れ対象のETFは日経平均、TOPIX、JPX日経400、設備人材ETFです(2016年8月16日時点)。レバレッジ(ブル型)ETFは買入対象には入っておりません。

日経平均のETFだけでも8銘柄が上場しています。また、TOPIX、JPX日経400、設備人材ETFもそれぞれ数銘柄が上場しており、日銀がどの銘柄をどのような比率で購入するかは、純資産の大きさに応じていると言われています。

これまでの買い入れ実績

2010年12月15日からETF買い入れを開始しました。
2013年4月4日に年間買い入れ枠を1兆円に拡大、2014年10月31日に3兆円、2015年12月18日に3.3兆円、2016年7月29日に6兆円に年間買い入れ枠を拡大しました。

その結果、日銀が保有しているETFは、2016年7月末現在、簿価ベースで8.7兆円に達しています。
いつまで買い入れが続くか、保有しているETFを売ることがあるのかといったことはわかりません。

買い入れのタイミング

日銀はどのような条件で買い入れを実施するかについては公表していません。
多くのトレーダーも、明確な発動基準は不明であると考えています。

よく言われている説は、TOPIX(東証株価指数)が前場終了時点で前日比マイナスの場合、日銀は後場から買い入れを行うというものです。しかし、基準は不明であるというのが一般的な見解です。

2016年7月29日に、ETFの年間買い入れ枠が6兆円に拡大しましたが、この影響がどう出てくるのかも不明と考えている人が大半です。

どのようにETFを買い入れているのか

日銀はどのようにETFを買い入れるかについても公表していません。
証券会社で実際にこの業務に関わっている人はいるはずですが、彼らは守秘義務の観点から決して話をすることはありません。そのため、外野から推測するしかありません。

日銀はETF買い入れの実務を信託銀行に委託しています。信託銀行は証券会社にETFを購入するオーダーを出し、証券会社が準備したETFを立会外取引で取得していると考えられています。

日銀が買い入れ対象としているETFは、いずれも対象となる株式バスケットと交換することでETFを設定します。
例えば、日経平均のETFであれば、日経平均を構成する株式を集め、その集めた株のバスケットと交換でETFを入手します。

最大の謎は、日銀がETFを買い入れるために、証券会社がその素となる株式をどのように買い入れているかについてです。
いくつか説がありますが、最もメジャーなのは、先物を買ってEFP取引(Exchange of Futures for Physicals)で現物株と交換しETFにしているという説です。
すなわち、前場の結果によって、日銀がETF買い入れを決定した場合、証券会社は後場で先物をVWAP(出来高加重平均価格)またはTWAP(日中平均価格)で執行していきます。これだと後場に亘って、先物の需給が改善し価格が上昇し、現物株も上昇する圧力が生じます。

また、先物ではなく現物株を買ってバスケットを用意しているという意見もありますが、少数派ではないかと思います。

ETF買い入れ枠が年6兆円に増えたことの影響

2016年7月29日に年間買い入れ枠がほぼ倍になったため、日銀のETFの買い入れの条件や金額は変更されると考えられますが、どのような変化があるのかはまだわかりません。

買い入れの頻度が増える、1回当たりの買い入れ額が倍増することが予想されます。日銀がインパクトを与えることを重視するのであれば、買い入れ額を大きくする可能性が大きいのではないかという意見が多いです。


日銀のETF買い入れにおいても、現物株からETFへの設定が行われています。ETFの設定についてはこちらのコラム「指定参加者とマーケットメイカー」をご参照ください。

関連するETF

日銀が買い入れを行っているETFは、日経平均、TOPIX、JPX日経400の指数に連動するETFです。

当社が運用しているETFで、日銀が実際に買い入れを行っているETFはありませんが、日銀の買い入れ対象の指数の2倍の値動きを目指す下記のETFを運用しております。

日経平均 1579 日経平均ブル2倍ETF
TOPIX 1568 TOPIXブル2倍ETF
JPX日経400 1467 JPX日経400ブル2倍ETF