ETFに関する記事やブログを見ると、「指定参加者」や「マーケットメイカー」という言葉が出てきます。
耳慣れない名称ですが、ETFを妥当な価格で売買するために重要な役割を果たしています。
今回は中級者以上向けですので、わかりにくい用語等についてはご容赦ください。

設定・交換とは

指定参加者の役割は、ETFの設定・交換を行うことです。
この設定・交換とは何でしょうか?

ETFの設定とは、指定参加者が運用会社に新しいETFを作らせ、それを受け取ることを言います。指定参加者はETFの対価として株式のバスケットや現金を提供します。

ETFの交換とは、設定とは逆に指定参加者がETFを提供し、株式などの投資資産のバスケットを受け取ることをいいます。
なお、株式などの投資資産のバスケットで受け取ることを「交換」、現金で受け取る場合は「解約」といいます。
ここでは、交換と解約を区別せず、設定・交換として記述します。

ETFの設定・交換で現金でやり取りする場合は、ETFの基準価額に基づいて取引を行います。

指定参加者

指定参加者はETFの設定・交換を行うことができます。
投資家から依頼があったときに、ETFの設定・交換を行います。

指定参加者には証券会社が就きます。東証のETFにおいては、1つのETFに最低2社の指定参加者がいます。
「日経平均ブル2倍(コード:1579)」のような売買が活発な人気のあるETFだと、10社以上の証券会社が指定参加者になっています。

指定参加者に設定・交換を依頼する投資家とは?

指定参加者が設定・交換に対応するのは大口の機関投資家に限っています。設定・交換に伴う事務作業は煩雑ですが、そこで受け取れる手数料は限られているためです。
以下の投資家が実際に設定・交換を申し込んでいます。

1)金融機関や投資ファンドなどの大口の機関投資家

1日の売買代金がせいぜい数億円のETFなのに、1回100億円以上の設定を受け付けたこともあります。これは「日経平均ベア(コード:1580)」でおこったことです。

売買代金は1日数千万から数億円程度なので、100億円分を市場で買おうとすると難しいものがあります。一気に大きな買い注文を入れると、短期的にはマーケットインパクトでETFの価格が暴騰してしまうでしょうし、小口の注文で100億円分を買うのはトレードも煩雑ですし時間もかかってしまいます。
これは売却するときも同様です。

そこで、売買代金や板の厚さと比べて多額のETFを入手したいときには、投資家は指定参加者に「設定」を依頼し、市場を通さずにETFを入手することがあります。

逆に、多額のETFのポジションを手放したいときも同様に、投資家は指定参加者に「交換」を依頼し、市場を通さずにETFを手放します。

2)マーケットメイカー

マーケットメイカーも頻繁に設定・交換を行います。
マーケットメイカーは、市場でETFの買い需要が多いときは売りに回って、売り需要が多いときは買いに回ります。
マーケットメイカーは、市場で買ったETFを「交換」し、市場で売るために在庫を持つ必要があるときは「設定」を行います。

マーケットメイカーの説明は長くなってしまうのでまたの機会にします。

3)自社

指定参加者である証券会社が自らETFを設定し保有、交換することもあります。
これは指定参加者がマーケットメイカーとしての役割も果たしている場合があるためです。
また、1)のケースのように大口の投資家の注文にすぐ対応できるように、自ら在庫をある程度保有していることもあります。


マーケットメイカーはどういう人達なのかについては、マーケットメイカーとは誰なのか?をご参照ください。