WTI原油先物
WTI原油先物は先物取引です。そのため、先物の特徴を理解しないと、WTI原油先物の動きにも理解できないことがでてきます。
先物取引とは
先物取引とは
1.将来の予め定められた期日に
2.特定の商品(原資産)を
3.現時点で取り決めた価格
で売買する事を約束する取引です。
現時点で取り決めた価格が先物の価格となります。
例えば、「2016年4月末が期限のWTI原油先物」が38ドルで取引されている場合、2016年4月末(将来の予め定められた期日)に、WTI原油(特定の商品(原資産))を38ドル(現時点で取り決めた価格)で売買することを意味します。
先物には取引最終日があり、期限(限月)の異なる先物が多数あります
WTI 原油先物の取引は、1ヵ月後のWTI原油価格、2ヵ月後のWTI原油価格、・・・12ヵ月後のWTI原油価格というように、将来のWTI原油の価格に対する市場の予想が織り込まれた価格で取引されています。1ヵ月後のWTI原油の価格予想が織り込まれた先物を第1限月、2ヵ月後のそれを第2限月・・・と言います。
1ヵ月先の先物はこの1ヵ月を過ぎてしまうと、それ以上取引は出来なくなり、精算が必要となります。その代わり、これまで2ヵ月後の先物であったものが、1ヵ月の時間経過により1ヵ月先の先物になります。

WTI原油先物の限月別に価格差があります
WTI原油先物は第1限月(1ヵ月後に清算を迎える先物)と第2限月(2ヵ月後に清算を迎える先物)との間には価格差があります。
現在より将来の原油価格が上昇すると市場が見込んでいる場合には、より将来の先物の価格が高い状態(コンタンゴ)となります。
逆に現在より将来の原油価格が下落すると市場が見込んでいる場合には、より将来の先物の価格が低い状態(バックワーデーション)となります。

最近のWTI先物の価格例は以下のとおりです(2022年3月11日時点、CME Group Websiteより)。
第1限月 109.33(ドル/バレル)
第2限月 106.30(ドル/バレル)
第3限月 103.20(ドル/バレル)
2022年3月11日時点の市場のコンセンサスは、現在より将来の原油価格が低い状態にあることがわかります。
なお、このコンタンゴ、バックワーデーションはWTI原油先物に限らず、金や小麦など全てのコモディティの先物で発生する現象です。
先物の限月間価格差は市場環境により変動します
さて、2022年3月11日時点、先物の限月間の価格差は、「より将来の先物の価格がより低い状態」となっておりますが、「より将来の先物の価格が高い状態」が続いた時期もあります。

縦軸単位: USD、期間2000年1月4日- 2021年12月31日
*2008年9月22日に最大値11.55USD、2020年4月20日に最小値-58.06USDを記録しています。
この限月間価格差が、WTI原油価格連動型上場投信(1671)に与える影響は、次のWTI原油先物とETFの関係をご参照ください。
当社が運用している関連ETF
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1671 | WTI原油価格連動型上場投信 |
WTI原油についてこちらのコラムをご覧ください。
WTI原油先物
コンタンゴ、バックワーデーション ~商品先物の仕組み~
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レバレッジ・インバース型ETFの先物取引の仕組み
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