下はネットやTVでよく目にするWTI原油価格のチャートです。
1ヶ月ごとに満期が来るWTI原油先物の第1限月をつないだチャートになります。

WTI原油先物をずっと保有していても、これと全く同じ投資成果を得ることはできません。このチャートと同様の結果を得る投資は現実的には不可能です。
WTI原油ETFはWTI原油先物に投資をしますが、上記の影響で前述のチャートの値動きも異なってきます。
この点について以下で解説していきます。

なお、WTI原油についてはこちら、WTI原油先物についてはこちらをご参照ください。
この後の説明を理解するには、WTI原油先物の理解が必要ですので、事前に上記のWTI原油先物の説明ページお読みください。

先物の限月変化の対象指標とETFの基準価額への影響

WTI原油価格連動型上場投信(1671)の対象指標はWTI原油先物の第1限月です。WTI原油先物の第1限月の値動きと同じ値動きをすることを目指していることを意味します。

この第1限月の値動きは下図の赤い破線で示されるように、3月清算の先物が第1限月の時には3月清算日までは100ドルであっても、翌日からは4月清算の先物に読み換えられるため、101ドルなどとなったりします。
この結果、3月清算日前後で、第1限月の価格はみかけ上1ドル値上がりしたように見えますが、これは第1限月が参照する先物が変わっただけであり、実際の先物の値段(例えば3月清算の先物の値段)が上昇したわけではありません。

この様に、より将来の先物の価格が高い状態では、3月清算の先物から4月清算の先物へ第1限月の参照先が読み換えられる際に、 みかけの上昇分の上に実際の先物の変化率が加わります。
当ファンドの運用においては、このみかけの上昇分は基準価額に反映されないため、みかけの上昇分を含む対象指標の価格と当ファンドの基準価額とのかい離が拡大する要因となります。

限月清算日前後の対象指標の価格変化にはみかけの変化が含まれますが、このみかけの価格変化は当ファンドの基準価額には反映されません

先物のロールオーバー取引のETFへの影響

原油先物を運用対象とする場合、仮に第1限月に投資している場合には1ヶ月以内に限月最終日を迎えるため、その前に、より将来に清算日を迎える先物に乗り換えなければなりません。これをロールオーバー取引といいます。

当ファンドの運用ではロールオーバー取引を行います。ロールオーバー取引の前後で先物の保有枚数が変化すると、原油先物価格の騰落率が当ファンドの基準価額に与える影響にも変化が生じます

より将来の先物の価格が高い場合のロールオーバー取引の影響

より将来の先物の価格が高い状態をコンタンゴといいます。

より将来の先物の価格が高い場合に、手元資金の範囲でロールオーバー取引を行うと、以下の図に示すようにロールオーバー後の先物保有枚数が減少します。

第1限月が100ドル/バレル、第2限月が101ドル/バレルの場合、資産総額は変わらないのですが、ロールオーバー取引により先物保有枚数が100万バレル分から99万バレル分まで減少します。

このように先物の保有(量)枚数が減少すると、当ファンドの基準価額は原油先物価格の騰落率の影響をより小さく受けるようになります。

つまり、対象指標の価格の変化よりも当ファンドの基準価額の変化が小さくなり、先物価格の上昇/下落にともない価格のかい離の拡大/縮小につながることがあります。

より将来の先物の価格が低い場合のロールオーバー取引の影響

より将来の先物の価格が低い状態をバックワーデーションといいます。

より将来の先物の価格が低い場合に、手元資金の範囲でロールオーバー取引を行うと、以下の図に示すようにロールオーバー後の先物保有枚数が増加します。

第1限月が100ドル/バレル、第2限月が99ドル/バレルの場合、資産総額は変わらないのですが、ロールオーバー取引により先物保有枚数が100万バレル分から101万バレル分まで増大します。

このように先物の保有(量)枚数が増加すると、当ファンドの基準価額は原油先物価格の騰落率の影響をより大きく受けるようになります。

つまり、対象指標の価格の変化よりも当ファンドの基準価額の変化が大きくなり、先物価格の下落/上昇にともない価格のかい離の拡大/縮小につながることがあります。