iNAV ~インディカティブNAVの使い方~

インディカティブNAVは、取引時間中のETFの基準価額の推定値です。
インディカティブNAVを利用することで、ETFが理論価格より割安で取引されているか、割高で取引されているかを知ることができます。
東証のウェブサイトでその数字を確認することができます。
インディカティブNAV
まず、NAVとは何でしょうか?
NAVはNet Asset Valueの略で、ETFの1口あたり純資産のことを言います。ETFの基準価額と同じ意味です。
このNAV(基準価額)は1日1回しか計算されません。
では、インディカティブNAVとは、どのようなNAVなのでしょうか?
インディカティブNAVは、取引時間中のETFの基準価額の推定値となります。通常のNAVが1日1回しか計算され公表されないのに対し、インディカティブNAVはリアルタイム*で計算されています。
インディカティブNAVはETFの今現在のNAVを推定した価格であり、今現在の理論価格になります。
*日本取引所のホームページでは15秒毎に計算され、表示されています。
なお、インディカティブNAVは長いので、iNAVと書くことが多く、業界の人は口語では“アイナブ”と呼んでいます。

インディカティブNAVは取引時間中のETFの基準価額の推定値です。
インディカティブNAVの使い方
インディカティブNAVは市場の取引時間中にリアルタイムで計算されるところに意味があります。
インディカティブNAVを利用することで、今ETFが理論価格より割安で取引されているか、割高で取引されているかを知ることができます。
日本のETFの基準価額は、1日1回、通常はその日の夕方に公表されます。その日の株式市場の終値などを反映して基準価額は計算されます。
例えば、午前11:00に日経平均のETFの取引をしようとしたとします。
日経平均は前日の終値から11:00現在までの間に変動しています。しかし、この時点で見ることができるETFの基準価額は、前日の基準価額、すなわち前日の終値を元に計算された金額です。前日終値から11:00までの株式市場の変動は反映されていません。
そこでインディカティブNAVの出番です。インディカティブNAVは11:00現在の基準価額の推定値です。これは、前日終値から11:00までの株式市場の変動が反映されています。
よって、インディカティブNAVを見ることで、今現在、ETFが理論価格に近い水準で取引されているかどうかを知ることができるのです。

インディカティブNAVを利用すると、今ETFが理論価格より割安で取引されているか、割高で取引されているかを知ることができます。
インディカティブNAVはどうやって調べるの?
インディカティブNAV(iNAV)の数字は、以下の東京証券取引所(日本取引所)のサイトで見ることができます。
リンクをクリックすると、以下のページが表示されます。

この表の見方を説明します。

Indicative NAVと書いてある列がインディカティブNAVとなります。
これと現在の市場の取引価格である「現在値」を比べることで、ETFが理論価格に近い水準で取引されているかどうかを見ることができます。
なお、「現在値」も「Indicative NAV」も1秒毎に更新されていますが、自動更新ではないため、最新の情報を見るにはリロードし更新が必要です。
また、各商品の銘柄名をクリックするとエクセルファイルがダウンロードされます。
このエクセルはPCFと呼ばれ、ETFが保有している株式や先物の情報が記載されています。これも有用な情報源になりますので、別のコラムで説明します。
こちらのリンク先では東証がインディカティブNAVの説明をしています。
ボタンが2つありますが、上のボタンをクリックすると、最初にリンクしたインディカティブNAVが表示されるサイトに行きます。
インディカティブNAVを見る場合は、上のボタンをクリックしてください。

インディカティブNAVは東証(日本取引所)のWEBで見ることができます
どうやって計算しているの
2022年3月現在の東証で公表されているインディカティブNAV の計算は、指数などのデータ取り扱いの専門の会社であるICE Data Servicesが行っています。
ETFの運用会社は、インディカティブNAVの計算に必要な情報を、インディカティブNAV計算会社に提供し、計算会社が計算を行っています。
インディカティブNAVを計算している当社運用の銘柄一覧
下記の13本のETFはインディカティブNAVを算出しています。
外国資産に投資するETFについては、東証の取引時間中に現地市場が開いておらず値動きが少ないといったことや、計算面で課題もあり、インディカティブNAVの計算対象とはなっておりません。
インディカティブNAVは裁定取引に利用できます。裁定取引を実施するマーケットメイカーについては、コラムをご参照ください。
マーケットメイカー ~ETFのマーケットメイクとは?~
ETFの取引方法や活用方法についてはこちらのコラムをご覧ください。
ETFの買い方~ETFは売りからも入れる?~
ETFの活用方法 ~個別株独自のリターンを狙おう~
ETFの信託報酬はいつ引かれるのか?
 
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