五月丸:

日銀は2%の物価上昇を達成し、デフレから脱却することを目指しETFの買い入れを行っています。

日銀がETFを買い入れている目的は?

日銀は、物価を安定させ経済の健全な発展に役立てることを理念としています。
しかし、日本は物価上昇率がマイナスとなるデフレに長年苦しんできました。
そこで、日銀は2%の物価安定の目標を設定しました。すなわち、物価上昇率が前年比2%となることを目指していくということです。

そのために日銀は金融緩和を推進しています。
2013年に日銀は「量的・質的金融緩和」と名づけ、国債の買い入れの拡大などいくつかの施策を打っています。その中の1つとして「ETFの買い入れ」があります。
日銀がETFを市場から買い入れることで、市中にお金が流れ、また資産価格のプレミアムに働きかけます。

五月丸:

2%の物価上昇を達成し、デフレから脱却し経済を発展させるために、日銀はETFの買い入れを行っています。

買い入れ対象のETFとその比率は?

2021年4月1日より、年間総額6兆円、以下の比率となっております。

年間買い入れ額 対象となるETF 1日の購入額
5.7兆円 TOPIXに連動するETF 700億円強
月に数回購入
0.3兆円 設備・人材ETF 毎営業日
12億円程度

従来と比べてTOPIX(東証株価指数)に連動するETFの比率が100%になったことが特徴的です。
TOPIXは構成銘柄数も2,000程度と多く、より銘柄が分散されています。

TOPIXについて解説したコラムもあります。こちらも是非ご覧ください。

レクス:

年間6兆円の買い入れ目標です。TOPIXに連動するETFの割合が100%です。

日銀のETF買い入れ実績

これまでの日銀のETF買い入れ額は簿価ベースで36兆円を超えています(2021年9月30日現在)。


買い入れ額 買い入れ日数
2010 284億円 2日
2011 8,003億円 41日
2012 6,397億円 22日
2013 1兆953億円 57日
2014 1兆2845億円 74日
2015 3兆694億円 88日
2016 3兆9368億円 88日
2017 5兆6069億円 78日
2018 6兆2100億円 87日
2019 4兆880億円 58日
2020 6兆8450億円 71日
2021 8014億円 14日

なお、今のところ、日銀は買い入れたETFをいつ、どのように売却するかについてはコメントしていません。

日銀のETF買い入れにもっと興味がある方は、ETFの買い入れ方法やタイミングについてわかりやすく書いたコラム、日銀砲 ~日銀のETF買い入れの謎を推察する~もお読みください。

関連するETF

2022年3月現在日銀が買い入れを行っているETFは、TOPIXに連動するETFです。
当社が運用しているETFで、日銀が実際に買い入れを行っているETFはありませんが、日銀の買い入れ対象であるTOPIXの指数の2倍の値動きを目指す下記のETFを運用しております。
また、過去に日銀の買い入れ対象であった日経平均株価の2倍の値動きを目指すETFも運用しています。


日経平均 1579 日経平均ブル2倍ETF
TOPIX 1568 TOPIXブル2倍ETF

ETFの取引方法や活用方法についてはこちらのコラムをご覧ください。
ETFの買い方~ETFは売りからも入れる?~
ETFの活用方法 ~個別株独自のリターンを狙おう~
ETFの信託報酬はいつ引かれるのか?

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ブル型ETF ~レバレッジ型商品の説明~
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レバレッジ・インバース型ETFの運用方法
レバレッジ・インバース型ETFの先物取引の仕組み

 
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