五月丸:

TOPIX(東証株価指数)とは、日経平均と肩を並べる日本を代表する株価指数です。
TOPIXへの連動を目指すETFは多数あり、日本のETFの主力商品です。
TOPIXに新規採用された銘柄は、TOPIXに連動するETFなどのファンドが新たに買い入れます。
日銀は、買い入れるETFの100%をTOPIXに連動するETFにすることを2021年3月18・19日の政策委員会・金融政策決定会合において決定しました。
TOPIXを初心者の方にも、わかりやすく簡単に解説します。

TOPIXとは

TOPIX(読み方:トピックス)とは、日経平均と並ぶ日本を代表する株価指数です。
TOPIXに関連したETFは数多く上場しており、TOPIXに連動するETF*は日銀のETF買い入れの対象にもなっています。

日本の株式市場の状況を伝えるときは、TOPIXまたは日経平均の上昇・下落を見て判断されることが一般的です。

また、ファンドや年金基金が自社の運用がうまくいっているかどうかを判断するための基準は、TOPIXであることが一般的です。
アクティブファンドではTOPIXより良いパフォーマンスが出せれば及第点となり、TOPIX未満のパフォーマンスであれば、TOPIXに投資しておけば良かったということで不合格とみなされることも多くあります。

そんなプロが運用するファンドでも、多くは市場の平均を超えることができていないという研究結果は多数あります。
TOPIXへの投資は、ETFなどにより低コストで実践できる点が魅力です。

*通常のTOPIXに連動するETFのみが買い入れ対象であり、ブル(レバレッジ)型、ベア(インバース)型ETFや業種別ETF等は対象ではありません。

シンプク:

TOPIXとは、日本の株式市場を代表する株価指数です。
TOPIXに関連するETFも多数上場しています。

TOPIXの算定方法

TOPIXは“東証株価指数”とも呼ばれ、東証プライム市場に上場する株式を中心とした多数の銘柄を対象として計算する株価指数です。
TOPIXにおける各銘柄の比率は、時価総額に応じて決まります。すなわち、時価総額が大きい大型株ほど、TOPIXに占める比率が高くなります。

次に、日経平均との違いを見てみましょう。

レクス:

TOPIXは東証プライム市場に上場する多数の株式を対象とします
TOPIXに連動するETFに投資することは、TOPIX構成銘柄すべてに投資するのと同じ意味があります。

日経平均との比較

TOPIXと日経平均の大きな違いは構成比率です。

構成比率は、TOPIXは各株式の時価総額に応じて計算するのに対し、日経平均は個々の株価を単純に平均したものに近いものとなります。

ここから以下の特徴の違いが生じます。

1)TOPIXは時価総額が大きい会社の影響が大きく、日経平均は株価の高い銘柄(値嵩株(ねがさかぶ))の影響が大きくなります。

日経平均の上位はファーストリテイリング、ソフトバンクグループなど株価の高い銘柄の影響が大きくなります。
これに対して、TOPIXで最も構成比が高いのは、時価総額が最大のトヨタ自動車となっています(2020年12月7日現在)。

2)日経平均は上位銘柄の比率が高い

指数に占める上位3銘柄の構成比 2020年12月7日時点
  TOPIX 日経平均
トヨタ自動車 3.2% ファーストリテイリング 11.5%
ソニー 2.4% ソフトバンクグループ 5.7%
ソフトバンクグループ 2.2% 東京エレクトロン 5.0%

これを見ると、日経平均は一部の銘柄が与える影響が大きくなっています。なお、上位10銘柄が全体に占める割合は、日経平均は40%、TOPIXは17%です。

よって、TOPIXは個別企業の株価が与える影響は比較的小さいですが、日経平均はファーストリテイリングやソフトバンクグループなどの上位銘柄に大きなイベントがあると、日経平均もその影響で大きく動いてしまうことがあります。

五月丸:

日経平均はファーストリテイリングなどの一部の株式の影響が大きいのに対し、TOPIXはより分散された株価指数です。

銘柄入替

TOPIXは東証プライム市場に上場する株式を中心とした多数の銘柄で構成されます。

新たにプライム市場に新規上場した銘柄(テクニカル上場を除く)・市場区分を変更した銘柄は、新規上場日・変更上場日の翌月最終営業日に追加されます。

では、TOPIXに新規採用されると、その株式には何がおきるのでしょうか。

シンプク:

プライム市場に上場した株式は、TOPIXが新たに組み入れます。

インデックスファンドはTOPIX新規採用銘柄を新たに買います

特定の指数への連動を目指すファンドをインデックスファンドと呼びます。インデックスファンドが連動を目指す指数は日経平均やTOPIXなど様々な種類のものがあります。
TOPIXへの連動を目指すインデックスファンドは、ETFだけでも数兆円の規模があり、その他にも投資信託などで多額の資金が運用されています。

TOPIXに新規採用された株式は、このようなインデックスファンドが新たに買い付けを行う対象となります。インデックスファンドの規模は非常に大きいので、この買い需要によって、新規採用の株式の価格が上昇することがあります。

では、インデックスファンドはTOPIX新規採用銘柄をいつ買うのでしょうか?

TOPIX新規採用銘柄はいつ買われるのか

インデックスファンドはTOPIXへの連動を目指しているので、TOPIXと同じ構成で株を保有します。そのため、TOPIXに新規銘柄が組み込まれるタイミングで新規銘柄を買うことになります。

TOPIXに新規銘柄が組み込まれるのは、プライム市場への上場日の翌月最終営業日です。この日が始まった時点では既にTOPIXに新規銘柄は組み込まれています。
そこでインデックスファンドは、TOPIX新規組み入れ日の前日、すなわち「プライム市場への上場日の翌月最終営業日の前日」の終値で組み込めば良いのです。

インデックスファンドがそのタイミングで一斉に買いにくれば、新規採用銘柄は価格が上昇するでしょう。
しかし、このインデックスファンドの行動は事前に予測できるため、多くの投資家や証券会社が先回りして安く買っておいて、インデックスファンドが買うときに売って儲けようと、考えます。そのため、インデックスファンドが買おうとする前に株価が上がってしまっていることが多くあります。
インデックスファンドが買いにくる日は、新規銘柄の株価が下落してしまうこともあります。

とはいえ、インデックスファンドは必ず新規採用銘柄を買うので、長期間で見れば、TOPIXに採用されるということは株価の押し上げ要因となると考えられます。

レクス:

ETFなどのインデックスファンドがTOPIX新規採用銘柄を組み入れる日に、必ずしも新規採用銘柄の株価が上がるわけではないことに留意。

日銀のETF買い入れにおけるTOPIX連動型ETFの比率の増加

日銀は2021年3月18・19日の政策委員会・金融政策決定会合で、ETF買い入れにおけるTOPIXに連動するETFの比率を100%に上げる見直しを行いました。

なお、日銀のETF買い入れについては、以下のコラムをご参照ください。基本編上級編があります。

関連する当社が運用するETF

TOPIXに関連した指数を運用するETFは多数上場しております。
当社で運用しているTOPIXに関連したETFは以下の3銘柄です。いずれもTOPIXに純粋に連動するのではなく、TOPIXの2倍、-1倍、-2倍の値動きをするETFです。

証券コード 商品名 内容
1568 TOPIXブル2倍上場投信 TOPIXの日々の変動率の“2倍”の値動きを目指します。
1569 TOPIXベア上場投信 TOPIXの日々の変動率の“逆”の値動きを目指します。
1356 TOPIXベア2倍上場投信 TOPIXの日々の変動率の“逆方向に2倍”
(すなわちTOPIXの-2倍)の値動きを目指します。

ブル・ベアETF全般の基本的な解説はこちらをご覧ください。
ブル型ETF ~レバレッジ型商品の説明~
ベア型ETF ~インバース型商品の説明~

ブル・ベアETFの運用や仕組みについてはこちらをご覧ください。
レバレッジ・インバース型ETFの運用方法
レバレッジ・インバース型ETFの先物取引の仕組み

日経平均とETFの関係についてはこちらをご覧ください。
日経平均とETFの関係

JPX日経400についてはこちらをご覧ください。
JPX日経400

またJPX日経中小型指数という、JPX日経400と同じような仕組で銘柄が選ばれる中小型株の指数も2017年3月より算出が開始されています。
JPX日経中小型指数については、こちらをご参照ください。
JPX日経中小型株指数

 
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