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アクティブETF は、2023年6月30日に東京証券取引所の制度改正があり上場が可能となりました。
アクティブETFは従来のインデックス連動のETFに含まれないETFの総称となっています。

アクティブETFとは

アクティブETFは分解すると「アクティブ」と「ETF」という言葉に分けることができます。

「投資信託」という言葉だけだと、アクティブ運用の投資信託もインデックス運用の投資信託も両方含めてイメージされることが多いと思います。
これに対して「ETF」といえば日経平均やTOPIX連動といった商品が有名で、一般的に指数(インデックス)に連動するイメージがあります。

ETFはExchange Traded Fundの略称です。
ETFを日本語に直訳すると「取引所で取引されるファンド」であり、ここにはインデックス・ファンドの意味は含まれません。
ETFの歴史としてこれまで(2023年8月時点)は、日本の取引所に上場するETFは全てインデックス・ファンドでした。また、世界のETFを見ても、最初はS&P500のETFから始まり、インデックス・ファンドが主流です。
そのため、ETFというとインデックス・ファンドが想起されると思います。

そこで、インデックス・ファンドではない、アクティブ運用が行われるETFということで、アクティブETFという名称が一般に使われています。

インデックス運用とアクティブ運用

ETFで一般的なインデックス運用、アクティブETFに出てくるアクティブ運用の意味を見ていきましょう。

インデックス運用は、特定のインデックス(指数)に連動することを目指して運用します。
例えば、東証REIT指数への連動を目指す東証REIT ETF は、東証REIT指数に含まれるREITの銘柄を、東証REIT指数で定められた比率に応じて保有し、ETFの基準価額が東証REIT指数と同じように変動するように運用を行っています。

また、日経平均ベア2倍上場投信は、日経平均ダブルインバース・インデックス(日経平均の日々の値動きの‐2倍の値動きとなる指数)への連動を目指しています。
そこで、日経平均先物をETFの純資産の2倍売り建てることで、ETFの基準価額が日経平均ダブルインバース・インデックスと同じように変動するように運用を行っています。

これに対してアクティブ運用は、インデックスをベンチマークとしてそれを上回る運用成果を目指したり、そもそもベンチマークを定めずに純資産の成長を目指す運用を行います。
例えば、TOPIXをベンチマークとして日本株の運用でそれを超えることを目指したり、特にベンチマークを定めず集中投資を行い高いリターンを目指すなど多彩な運用があります。

東証のアクティブETFにおける「アクティブ」とは

2023年6月30日に制度改正があり、東証でアクティブETFの上場が可能となりました。

東証のアクティブETFにおける「アクティブ」は、一般的に使われるアクティブ運用におけるアクティブの意味合いより幅広いものとなっています。
アクティブETFにおける「アクティブ」はインデックス運用以外の全てを含める意味となっています。

主なものとして以下が考えられます。
1)株式や債券で運用を行い、ベンチマークを上回ることを目指したり、純粋に高いリターンを目指して運用を       行う
2)インデックスと同じような運用を行うが、インデックス連動ではないもの
3)マルチアセット型(株や債券など複数のアセットクラスを混ぜて運用を行うもの)

一般に「1)純粋に高いリターンを目指して運用を行う」はアクティブ運用として扱われているものと考えられます。
しかし、2)と3)のような運用は、通常はアクティブ運用とはあえて主張することはないのではないかと思います。

「2)インデックスと同じような運用を行うが、インデックス連動ではないもの」とは、国債で運用するETFなどあまりインデックスがあってもなくても同じような運用結果となる運用において利用されます。
インデックス利用のコストを節約したり、インデックスに合わせるために行うリターンの向上に貢献しないと考えられる取引を避けることを目的とします。
「3)マルチアセット型」は投資信託では多数の商品があります。株と債券を混ぜ合わせた指数というものは一般的ではないので、ETFでマルチアセット型の商品を作る場合はアクティブETFとして作ることになります。

インデックスに連動しないETFを上場させることができるようになり、ETFの多様性が広がることがアクティブETFの意義となります。

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